日本高次脳機能障害学会 2019年夏期教育研修講座参加

先日、当院のST2名で「日本高次脳機能障害学会 2019年夏期教育研修講座」を受講して参りました。

 

今回は本講座初の金沢開催だそうで、私達2名も初めての金沢でしたが2日間共お天気にも恵まれました。

1日目は失語症について、2日目は高次脳機能障害についてでした。

1日目は特に発語失行の細かな機序や分類、アプローチ方法について実際の症例を参照しながらの講義で、とてもわかり易く勉強になりました。また、話す・聞く・書く・読むの4つのモダリティごとの講座や、病巣ごとに発生しやすい症状やその特徴等もありました。

 

2日目は、失認、失行、半側空間無視、記憶障害等について学ぶことが出来ました。

特に失認の症例は当院で目にする機会が少ないですが、質感失認(対象の質感を認知できない)、色彩失認(色と色名、物品名、物品を連合できない)など珍しい失認の症例を実際の映像で見せて頂き、興味深かったです。

 

 

失語症を含めた高次脳機能障害は、まだはっきりと解明されていない部分も多い分野ですが、その中でも新たな情報が得ることが出来ました。

研修後は金沢名物の「のどぐろ」を頂いてきました!

 

今回得た知識を病院に持ち帰り、臨床に還元していきたいと思います。

学会発表in新潟

皆様、夏バテは大丈夫でしょうか。

猛暑日が続き、全国45都道府県に、高温注意情報が発表されているほどですね。

熱中症、脱水症には十分注意して、過ごしていきましょう!

さて、先日、日本訪問リハビリテーション協会学術大会in新潟に参加してきました。

リハビリテーション科の相澤です。

セラピストを中心に、訪問リハビリに携わる人達がそれぞれの取り組みについて発表を行いました。

当院からも、今年は言語聴覚士が発表を行いました。

テーマは『重度失語症者へのコミュニケーション支援を通した単身生活継続への取り組み』

失語症は脳梗塞や脳出血などにより言葉を聴いて理解する、話す、読解、音読、計算することが困難になる障害です。コミュニケーションを取る際には配慮が必要ですが、失語症は目に見えない障害である為、まだまだ社会的な認知度が低く、支援方法もあまり知られていません。

失語症の方は電話やメールも困難となる為、特に一人暮らしではご自宅への退院を諦めなければならないことがあります。ご自宅に退院できても、ご家族や訪問介護員と上手くコミュニケーションが取れずにお互いに困ってしまうことが多く見受けられます。こんな時、言語聴覚士が橋渡しをすることで安心・安全に生活ができるようになります。

今回の発表では、一人暮らしの失語症の方に行った橋渡しの具体例とその有用性について報告しました。

コミュニケーションがうまく取れず、災害時や体調不良時の連絡が難しく、安全に生活できるか不安を抱えていましたが、橋渡しを行ったことで、ご本人様及び訪問介護員お互いの不安感やコミュニケーションの困難さを軽減することができました。

発表を通じて、失語症の方が地域で安心して生活する為に、机に向かって行う訓練だけでなく、実際のコミュニケーション支援がとても重要であると感じました。

 せっかく新潟に来たので、ご当地のものを食べたい!!ということで、へぎそばを戴きました。香りが良くとても美味しかったです。皆さんも新潟にお越しの際はぜひ。

学会発表


こんにちは、理学療法士の加藤です。

先日、2019年6月13~15日に『第56回リハビリテーション医学会学術集会』に参加させて頂きました。当院からは、事務長、理学療法士2名、作業療法士1名、言語聴覚士1名の計5名が参加しました。

 

開催場所は、兵庫県神戸市にあります神戸コンベンションセンターにて行われました。

私たちが参加したのは3日間でしたが、大会は5日間にも及び、延べ約1500もの演題数が集まる非常に規模の大きい大会でした。

当院からは、リハビリテーション科訪問班の小玉係長が「金沢区地域リハビリテーション連絡会によるネットワーク構築活動の報告」という演題にてポスター発表を行いました。

発表では、金沢区地域リハビリテーション連絡会の活動報告として、超高齢社会に向けた地域包括ケアシステム構築のために、リハビリテーションマップや事例検討会、研修会を実施し、顔の見える密な連携を図った経過を報告し、金沢区地域リハビリテーション連絡会の必要性を説明して頂きました。

来年度の第57回日本リハビリテーション医学会学術集会は京都で開催予定です。今年もリハビリテーションの成果を出し、なみきリハビリを盛り上げていきたいと思います。

 

学会発表in大分

こんにちは。リハビリテーション科の阿部です。

6月28-29日にiichiko総合文化センター・大分県立美術館(OPAM)で開催された

『第20回日本言語聴覚学会inおおいた』にてポスター発表の機会をいただきました。

『神奈川県における失語症者向け意思疎通支援事業に関する取り組み

  ~養成事業の準備から初年度実施までの経過と今後の課題~』

というタイトルでの発表でした。

 

全国に30万~50万人いると推定されている失語症当事者。

平成30年度に神奈川県言語聴覚士会が県から事業委託を受けて、全国に先駆けて

『失語症者向け意思疎通支援者養成講習会』を開催し、20名の修了生が誕生しています。

令和元年度は22名の受講生で養成講習会がスタートしています。

 

今回の学会発表では、その取り組みにおける『成果』『問題点とその対策』『今後の課題』を中心にお伝えしてきました。

他県やメディアの方からも沢山のご質問をいただき、社会からも注目を集め始めている事業である事を実感するとともに、その責任も再確認し身が引き締まる思いでした。

 

失語症に対する社会での理解が拡がり・深まり

必要とされる支援が行き届き

主体的に意思決定を行い

彩りのあるその人らしい生活を送れる

そんな社会が実現出来たら

素敵ですね。

 

全国のSTの先輩や仲間と色々な思いや取り組みを語りながら

また明日からの臨床の質の向上を図っていきます。

 

学会参加の醍醐味は、

①最新の知見や取り組み事例を知る

②それを共有し繋がる

③開催地の特性を知る

と、個人的に考えていますので、もちろん郷土料理もしっかりリサーチして参りました!

学会発表

 

こんにちは。リハ科作業療法士の新倉です。

先日、山梨県甲府市で行われた第31回活動分析研究大会にOT4名が行ってきました。

作業療法と、とても関わりの深い「活動」について、多くの方の発表を通じて学ぶことができる貴重な機会となりました。

特に注目したのは「情動報酬系へのアプローチ」についてです。

情動とはヒトの行動の根底にあり、動機付けを担っているものとされています。

動機付けはリハビリテーションを行う上で、患者様から意欲を引き出すために重要な要素です。脳内のドーパミン作動系ループがそれらに関与しているとされ、期待より報酬が上回ると学習が強化されると言われています。

今回の大会ではそれらの情動について、作業を通じた介入、対象者の変化と考察を聞くことができ、作業療法の可能性を改めて考えさせられる内容でした。

当院からは先輩の二人が、それぞれ座長、演者として参加されました。

桐生さんは座長として円滑で活発なディスカッションを進行していました。

 

横戸さんの演題では、物品の持つ特性や使用方法による目的の違いなど、一つ一つの活動を深く知ることができ、より臨床に深みを持たせられるようになったと感じます。

お二人とも大変お疲れ様でした。

帰り際、山梨県で有名なほうとうのチェーン店である「小作」で夕食となりました。大きな野菜がたくさん入っていて、とてもおいしかったです。
今回得た学びをしっかりと自分のものにし、今後の臨床と患者様の関わりに活かしていけるよう努力していきます。

 

 

学会発表

こんにちは、なみきのKENです。 

先日、「回復期リハビリテーション病棟協会第33回研究大会」に参加してきました。

回復期リハビリテーション病棟協会研究大会は、全国の回復期リハビリテーション病院が集まり、研究・実績を発表し知識を広げていく場所となっています。

今回は初の東京ディズニーリゾートのミラコスタホテル・アンバサダーホテルでの開催となり、私もなみき代表として「回復期病棟にて運転支援を取り組んでみて」という題名でポスター発表してきました。

        

  自動車運転支援は、近年のリハビリテーションでも大きなトピックスとして動き始めています。当院でも昨年から開始しており、まだまだ発展途上中の段階です。

今回の発表は、運転支援というグループ内での発表となり、「病院と教習所の連帯」「病院内に教習所がある病院」など様々な施設からの発表がありました。私の発表は、当院のけるドライブシュミレーターを使用した運転支援の取り組み・課題点・改善点についてまとめ、発表しました。他施設から様々な貴重なご意見・質問をいただきましたので、今後に活かしていきたいと思いました。 

また、今回の学会は「情熱」「科学」がテーマでありリハビリ職だけでなく、医師・看護師・医療ソーシャルワーカーなど様々な視点から回復期での取り組みについて報告があり、たくさんの知識を吸収する事ができました。

そして、医療職種のみならず、企業展示もあり大手企業が福祉用具などの展示説明があり、飲み込みが難しい人のために開発された、街中でよく見る飲料自動販売機が自動とろみ付きのものがありました。とろみをつけていくのが一手間かかり、外出先では難しいこともありますが、こういう販売機があると便利だなと思いました。 

それ以外にも衣服・スマートウォッチなど最新機器と医療の連帯がありました。現代の医療では、障害者の方が地域に出ても住みやすい環境設定が近代的になってきていると実感しました。

 

今回の学会参加にて得た知識は今後の業務で活かしていけたらと思いました。

高次脳学会への参加

更新が滞ってしまい、ご迷惑をおかけしております。 2019年となり、充実した日々があっという間に過ぎ去ってしまいました。 当院からも綺麗な桜が見え始めました!

ご無沙汰となってしまいましたが、今回は学会への参加報告をさせて頂きます。

第42回日本高次脳機能障害学会学術総会 参加報告 2018年12月6日(木)と7日(金)の2日間、神戸国際展示場で開催された、第42回日本高次脳機能障害学会学術総会に、ST3名で参加させていただきました。 今回の大会のテーマは、「Neuropsychological Rehabilitationの原点とトピック」です。 社会的行動障害についての教育講演や失語症治療についてのシンポジウムなどが行われました。 社会的行動障害は記憶障害、注意障害、遂行機能障害と並んで高次脳機能障害の主要4症状の1つに位置付けられています。 社会的行動障害の方はそもそもリハビリテーションの場に参加すること自体が困難なことも多いです。そのため症例ごとに複合的要因を分析し個別例の状況に応じた支援を考えることが必須となります。

今回学んだことを今後のリハビリに繋げていきたいと思います。

第24回摂食嚥下リハビリテーション学会参加報告

9月8日(土)と9日(日)の2日間、仙台国際センター及び東北大学百周年記念館川内荻ホールで開催された、第24回摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会に、ST4名で参加させていただきました。

 

 

毎年、医師、歯科医師、看護師、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士、歯科衛生士、管理栄養士など様々な職種の臨床家や研究者、教育者が、約6000名参加する大きな学会です。

 

今回の大会のテーマは、「集い、語り、動く ~摂食嚥下の地域リハビリテーション」です。

学会では、シンポジウムを始め、パネルディスカッション、教育講演、一般演題、ポスター発表が行われます。病院、施設、訪問サービスなどの医療機関での連携の重要性、医師、看護師、言語聴覚士などのリハビリスタッフ、管理栄養士、ケアマネージャーなどの職種間の連携の必要性が、常に強調されていました。

 

 

当院からはSTの廣瀬科長が、「画像検査と多職種連携が有効であった一例」について発表され、嚥下障害の対応が画一的ではなく、症例ごとに正しい病態の診断と適切な治療が必要であることを学びました。

 

他にも、摂食・嚥下関連の最新評価機器、リハビリ器具や嚥下食の展示・紹介もあり、企業の方に、炭酸飲料へのとろみの付け方を教えていただき、とても充実した2日間だったと思います。

今回の学会で得た知識を、臨床に活かしていきたいと思います。

 

第19回日本言語聴覚士学会

こんにちは
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、皆さんお変わりなくお過ごしでしょうか?
寒い日と暑い日があり、体の調整が難しい時期かと思います。どうかご自愛くださいませ。
6月22~23日と富山県富山市にて開催されました第19回日本言語聴覚士学会に当院のST4名で参加してきました。
学会は、全国の多くの言語聴覚士が多岐にわたる分野の多彩なテーマに対し過去の論文から最新のデータまでをまとめ新たな試みや、これまでの臨床を振り返り共有する場となっています。
様々な意見や考えを述べ合い、患者さん利用者さんのリハビリの可能性を探求していく、そんな素敵な様子を見て多くの学びを得ました。
担当する患者さん、未来の患者さんへの強い想いが伝わってきて、私たちも胸が熱くなりました。
今回学んだ内容を活かし、明日からも頑張っていきたいと思います!

第22回日本ペインリハビリテーション学会学術大会 参加報告

2017年9月30日・10月1日に第22回日本ペインリハビリテーション学会学術大会が神戸商工会議所にて開催されました。当院からは理学療法士3名、作業療法士2名が参加致しましたので、遅くなりましたが報告させて頂きます。

 今回の学術大会のテーマは「Clinical Pain Rehabilitation~概念から臨床実践へ~」ということで、全国各地から大勢の参加者が集まり、活発な質疑応答が行われました。

痛みは急性痛と慢性痛に大きく分けられ、急性痛は外傷や手術後などに生じる生理的な痛み、慢性痛は創傷治癒の妥当な期間を超えて持続する痛みを云います。私たちの携わる回復期リハビリテーションでは、急性痛から慢性痛へ移行させないための介入が非常に重要になってきます。

痛みがあると、「じっとしていても痛いから寝ておこう」「動くと痛くなりそうだから安静にしておこう」と、不活動状態になりがちです。もちろん、急性痛の段階ではある程度の安静は必要なケースもありますが、不活動状態が長期化することで慢性痛へ発展する可能性が高くなることが示唆されており、実際に神経系の変化が生じて痛覚閾値を低下させる等、様々な報告がされています。今回の学術大会を通して、疼痛を抱える患者様に対し、運動恐怖、身体知覚異常、自己効力感、ペーシングといった多角的な評価を実施することの有用性と、その評価結果に基づいて一人ひとりに合った介入の方向づけを行うことがいかに重要かを学ぶことができました。

今回の学術大会に関する伝達講習は12月21日に予定しています。尚、来年度のペインリハビリテーション学術大会は福岡県の九州大学医学部百年講堂にて開催予定です。