当院では、2006年9月よりNST(nutrition support team:栄養サポートチーム)を立ち上げ、入院患者様の栄養管理を行っています。この度、2009年4月に日本静脈経腸栄養学会よりNST稼動施設として認定を受けました。現在、日本静脈栄養学会認定のNST専門療法士が3名在籍しています。

入院患者様の約4割は栄養不良であるといわれています。栄養不良(低栄養)になると、治癒の遅延(入院期間の長期化)、合併症の発症が起こります。低栄養では、いかなる治療も無効となってしまいます。当院では、低栄養にある患者様を早期発見し、栄養状態を改善するために、医師・看護師・薬剤師・検査技師・言語聴覚療法士・管理栄養士がチームとなって取り組んでいます。

まず、入院時に全ての患者様の栄養スクリーニング(栄養障害の有無についての診断)を行います。スクリーニングにて低栄養が疑われる方に対しては、主治医に確認の上、NST介入となります。また、全入院患者様を対象に定期的に栄養状態の再評価を行っています。ここでも、栄養状態が低下してきている患者様がいらっしゃった場合には、主治医に確認の上、NST介入となります。

当院のNSTの特徴は、回復期リハビリテーション病棟を有するため、対象として、脳血管疾患を原因とする摂食嚥下機能障害のある患者様が多いことにあります。そのため、言語聴覚療法士もメンバーとして加わっています。どのような食事形態であれば、患者様が安全に召し上がれるのか。どのような食事内容にすれば、必要な栄養量を補給できるのか等、言語聴覚療法士を加えて検討を行っています。

また、褥瘡(床ずれ)対策チーム、感染対策チーム等とも連携をとり、組織横断的に活動をしています。入院して栄養状態が悪くなるようであってはいけません。入院時、患者様やご家族は、元気になって退院していく姿を思い描いているはずです。

当院NSTは、その期待に応えられるようチーム一丸となって栄養サポートに取り組んでいます。

NST稼動施設認定取得 NST稼動施設認定取得
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