栄養から支えるチーム医療

入院患者様のうち、約4割が栄養不良(低栄養)の状態にあるといわれています。栄養不良は、治癒の遅れや合併症の発症、入院期間の長期化などを引き起こし、あらゆる治療の効果を損なう大きなリスク要因です。

当院では、こうした栄養不良のリスクにいち早く対応するために、2006年からNST(Nutrition Support Team/栄養サポートチーム)を設置。2009年には、日本栄養治療学会よりNST稼働施設として正式に認定されました。

低栄養にある患者様を早期発見し、栄養状態を改善するために、医師・看護師・薬剤師・検査技師・言語聴覚士・管理栄養士など多職種が連携し、チームとなって取り組んでいます。現在は、学会認定のNST専門療法士が4名在籍し、チーム医療の一環として積極的に活動しています。

NST稼動施設認定取得

NST(栄養サポートチーム)の主な取り組み

栄養状態をチェックし、早期に対応します

すべての入院患者様に対して、入院時に「栄養スクリーニング(栄養障害の有無についての診断)」を実施。
栄養に問題がありそうな方には、主治医の判断のもと、NSTが介入します。 入院後も定期的に栄養状態を見直し、低栄養が疑われる場合には速やかに対応しています。

摂食・嚥下障害への対応

当院はリハビリ病棟を有しており、脳血管疾患による摂食・嚥下機能の低下が見られる患者様も多くいらっしゃいます。 そのため、NSTのメンバーには言語聴覚士(ST)も加わり、「安全に食べられる食事形態はどのようなものか」「必要な栄養をしっかりと補える食事内容はどうあるべきか」といった点を多職種で話し合い、最適な方法を検討しています。

他の専門チームとも連携

褥瘡(床ずれ)対策チームや感染対策チームとも密に連携し、栄養面からも患者様の全身状態をサポートできる体制を整えています。

入院によって栄養状態が悪化してしまうことのないよう、NST(栄養サポートチーム)は患者様の“食べる力”と“栄養をとる力”をサポートします。患者様、ご家族が思い描く「元気な退院」を実現できるように、チームで力を合わせて取り組んでまいります。