2019年 新年のご挨拶 〜当院の来歴と決意〜
2019年1月1日
横浜なみきリハビリテーション病院 院長 神経内科
阿部 仁紀
新年明けましておめでとうございます。
当院の歴史は、前身の屏風ヶ浦病院(磯子区森)が1986年4月に167床の総合病院として開院したことから始まります。その後、2004年に回復期リハビリテーション病棟42床が立ち上がり、2008年には87床に増床され、残り80床が障害者病棟となり、総合病院からリハビリ病院へと大規模な機能転換が図られました。さらに、2012年9月、構造・機能をリハビリに特化すべく、金沢区並木に移転し、『横浜なみきリハビリテーション病院』(224床;回復期リハビリ病棟96床、障害者病棟80床、医療療養病棟48床)となりました。15年2月には回復期リハビリ病棟132床、障害者病棟44床、医療療養病棟48床、16年には回復期リハビリ病棟144(48×3)床、障害者病棟44床、医療療養病棟36床となり、回復期リハビリ病棟の病床数は横浜市で特に多い病床数を備えております。
新病院の歴史は浅いのですが、回復期リハビリ病棟の歴史は、2000年に回復期リハビリテーション病棟が医療保険となって6年後の2006年からですから、13年と比較的古い歴史があります。
この地には、近隣に高度急性期・急性期に特化した複数の病院があります。これらの病院の先生方と当院は『患者さんをよくする』という共通の精神で結ばれ、顔のみえる共同体( 精神のゲマインシャフト 1))を築いております。各病院は、水平分業化(機能分化)を年々高度化し、回復期リバビリ病院がなければ存在できないと思われます。もちろん当院も同様で、それらの病院と当院は『運命共同体』となっております。各高度急性期・急性期病院に頼られる存在になるために、当院は上記のように各病棟の比率を変えることでリハビリ病床数を増床し、全職員が一丸となって努力することで、病院力(存在力)を年々向上させております。
さらに、当院は、訪問リハビリ、通所リハビリ、訪問看護、外来、外来リハビリを行っており、診療所・クリニックの先生方、訪問看護ステーション、各地域ケアプラザそして地域包括ケアシステムの中核病院との連携を一層深めることで、地域のみなさまの医療・介護に貢献しております。
また、当院の職員は看護師、リハビリ科の職員(133名;男性:女性=35:65)と女性が多く、そのため託児所を設け、育休は最大2年間まで延長し、男性職員の育休取得も奨励するなどの「働き方改革」を行ない、育児を行ないながら働ける職場づくりに力を入れております。
当院は、新しい構造・機能とともに屏風ヶ浦病院からの伝統もあり、躍進を図るべく、常に時代や環境(時空)をよみ柔軟に対応するとともに、病院の質を上げるよう日々努力してまいります。
本年もどうぞよろしくおねがい申し上げます。
注
- テンニエス著、杉之原寿一訳. ゲマインシャフトとゲゼルシャフト―純粋社会学の基本概念―上. 岩波文庫. p51.
顔の見えない共同体・ゲゼルシャフト(利益社会)との対比で、顔の見える共同体・ゲマインシャフト(共同社会)があり、ゲマインシャフトは、血のゲマインシャフト、場所のゲマインシャフト、精神のゲマインシャフトに分類される。
そこで、(一)肉親、(二)近隣、(三)朋友が、かかるゲマインシャフトの基本的種類のもっとも分かりやすい名称として、並列的に考えられる。